第3章 シャンゼリゼの出会い(二日目)
1.出発
2.バスティーユ広場
3.魔法博物館
4.ノートルダム寺院
5.シャンゼリゼ通り前編
6.シャンゼリゼ通り中編
7.シャンゼリゼ通り後編
1.出発〜フランスの朝食〜
何時に起きたのかは分からないが、昨日はばったりと寝てしまったので自然に目が覚めた。
しかし、それにしても暗い。朝7時だか8時だかのはずなのに、深夜状態。とりあえずシャワーを浴びる。やはり疲れていたのか、シャワー室で気を失う俺。中々出てこない俺に痺れを切らして電気を消す2人。でも反応なし。
朝飯が出るのか不安だったが、どうやら出るらしい。というわけで、フランスのブレックファーストである。食堂に入ると、セルフサービスで適当にパンやら何やらを取って勝手に食べるシステム。
と、背後で声。
「また会ったね!」
だ、誰だ!?
なんと、飛行機でかなめのまえに座っていた女子学生。
「一緒のホテルだったんだね」
なんか、これは………気まずいぞぉ。あんまり関わりたくないぞぉ。なんでここまで来て日本人?
適当にあいさつを済ませて、朝飯を食うことにする。
フランスの朝食は、マジでうまかった。これはびっくりである。そんなに目新しいものがあるわけでもないのだが、感動的なうまさだ。同じメニューが4日間続くわけだが、意外と飽きない。というわけで、ここに思い出せる限りのメニューを書いてみる。
フランスパン・・・・・・フランスとフランスパンの関係をすっかり忘れていたが、フランスの名物だからこそフランスパンなのだ。フランスのフランスパンは、日本のものと違って風味豊かで、実に美味しい。フランスパンだけでも結構いける。どうやら、フランスは使っているバターの質が違うらしい。
クロワッサン・・・・・・これは、マジで美味い。3人とも、これにはちょっと驚いた。クロワッサンってのは日本で食っても結構美味しいが、これは段違いだ。本場と亜流の差を思い知った。フランスに行くことがあったら、クロワッサンだけは絶対に食べておくべきである。ちょっと大き目。
デニッシュ・・・・・・チョコが入っている。これはこれで中々いけるが、別に特筆するほどのものでもない。
赤い食パン・・・・・・赤みがかった食パン。昔こういう色のパンを学校の給食で食べたことがあって、そのときはキャロットパンだった。でも、これはオレンジが練りこんであるようだ。これもなかなかのもの。
シリアル・・・・・・やっぱ牛乳でしょ。いや、牛乳だけ飲むとちょっと・・・・・・という感じはする。シリアルに関してはさほど特筆すべき点はなかった。
ゆでたまご・・・・・・玉子と卵の違い知ってる?? って、まぁそれはいいが、動物性のたんぱく質はゆでたまごだけ。スプーンで周りを叩いて卵を割るのがマナーらしい。
チーズ・・・・・・マンガによく出てくるような穴あきチーズを薄く切った物が二種類と、どうしようもないくらい間抜けな顔の牛の絵が書いた包みに入っているカマンベールチーズ。間抜けは間抜けだが、チーズの中身は非常に美味しい。柔らかいので、パンに塗ったりする(のだと思う。今更違うと言われても困るが)かなめは部屋に持って帰った。俺も二つほど上着のポケットに忍ばせたのだが……
ヨーグルト・・・・・・フルーツヨーグルトで、プチダノンのような入れ物に入っていた。果肉が沢山入っていて、かなり美味。チェリーヨーグルトが最初人気だったが、後にざくろヨーグルトが登場し、トップの座を奪う。
ジュース・・・・・・オレンジジュースとグレープフルーツジュース。特にオレンジジュースは3人の大絶賛を得た。使っているオレンジの質が違うのだろうか。さすが農業大国フランスである。
カフェオレ・・・・・・俺は大人なので、コーヒーはブラックで飲む主義なのだが、カフェオレはフランスの名物らしいのでここはポリシーを曲げる。うん。確かに美味しい。毎朝のクロワッサンとカフェオレがフランス人の楽しみと言うのも理解できる気がする。
フルーツポンチ・・・・・・覚えてない。ていうか、食ってない。
こんな感じ。朝飯には非常に満足。食べ終わった頃には例の学生もおらず、ふらふらと部屋へ戻る。
歯を磨く3人。申し合わせたように歯磨き粉がエチケットライオンな3人。日本では夜行性なくせに時差の影響でやけに朝から元気な3人。
かなめ「口磨いたらそろそろ出るぞ
いや、口は磨かないだろう。
ホテルの入り口にはあの無愛想な親父はいなくて、別の元気なラテン系の親父がいた。親父に最寄駅までの道を聞き、出発。
俺は知っている三つのフランス語の一つ「オールヴォワール(多分さようなら)」と告げ、ホテルを出た。ホテルの親父は笑っていたので、もしかしたら使いどころを間違っていたのかもしれない。
次回、2.バスティーユ広場へ続く