第六章 北海道大学獣医学部

1.北大のチョビ
2.醸造酒醸造所

3.クラーク博士と羊の乳
4.地獄の谷の閻魔大王
5.室蘭再び


今日の予定
・北大医学部で、漆原教授を生け捕りにする
・クラーク博士の手の形がどどん波であることを証明
・登別温泉
・フェリーに乗る

1.北大のチョビ

いよいよ北海道散策も今日で終わり。7時45分集合で、なんか俺の部屋だけ他の荷物が散乱していたため、5分遅れで到着すると既に全員スタンバイ。ちょっとみんなの目が恐い。

最初の目的地は、北海道大学。メンバーのほとんどが「動物のお医者さん」の読者であり、否が応にも獣医学部への期待が高まる。というわけで、いきなり獣医学部に移動。まさにこれが、「動物のお医者さん」の舞台、H大学獣医学部である。

キャンパスは部外者立ち入り禁止であり、カメラや日記帳を持ち歩く我々は部外者以外の何者でもなかったが、そこはそれ、学生のふりをして獣医学部を散策。すると……なんと、通りすがりのおばさん、一頭の犬を連れ歩く。な、なんとシベリアンハスキー!!

こんなところでチョビに出会えるとは、いたく感激である。もしかしたら、我々が北大獣医学部に憧れていたように、このおばさんは北大獣医学部でシベリアンハスキーの散歩をさせるのに憧れていたのかもしれない。そう考えると、おばさん一歩上手。

なお、残念ながら漆原教授をここで見つけることはできなかった。これは夏休みだから仕方あるまい。



獣医学部を出ると、今度は北大の中心部に移動。ここには、クラーク博士の像があるらしい。と言っても、あの有名な「少年よ、大志を抱け」ポーズではなく、ただの胸像らしいが。

大学近くの駐車場にオザワゴンを止め、いざ北大へ。
と、いきなり胸像。まさか、クラーク!!??

と思いきや、北大の初代学長(全然知らん人)だった。クラークの偽物である。いや、偽物ではないのだろうが、きっとここに訪れた多くの観光客を騙してきたであろうことに疑いは無い。ゆえに彼は偽物なのである。

校内をしばらく進むと、やっと出ましたクラーク像。立派なクラーク髭を生やし、偉そうに我々を見下す、北大在籍9ヶ月だけの助っ人外人クラーク博士。丁度いい頃合いなので、捏造写真を撮る事にした。捏造写真6『すれ違い』。なかなか文学的な作品である。って、実はこの捏造写真シリーズ、この日記を書いている時点で完成品をまだ見ていない。カメラマンにまだ遭遇していないので、出来がわからんのだ。

我々はさらに奥へ進む。それにしても、さすがは北大、でかい。今までに東大、千葉大、筑波大、東外大の4つの国立大を見てきたが、「最大」の呼び声高い筑波大にも匹敵するんじゃないかというくらい、でかい。だって、校内にタクシー走ってるもんよ。早稲田じゃ考えられないね。これで、うちよりはるかに学生少ないんだから、やってらんない。

いがた「うちと金の回し方違うよなー

というぼやきが聞こえるが、千葉大だって充分広い。

煉瓦造りの出来たてっぽい、きれいな理工学部を抜けると、また胸像が立っていた。誰だ?……新渡戸稲造。おお!!五千円札様ではないか。

稲造は、お札とかなり違う顔だったが、「別人」と言い切ることも出来ない程度には新渡戸稲造だったので、一応認めてやることにした。

なお、稲造の像には、"I wish to be a bridge across the Pacific"などというスケールのでかいことが書いてあり、さすがはお札になるような人間は言うことが違うのだ。俺も世界征服の暁にはお札になってやると固く心に誓う。

稲造の像のとなりには、北大の名物らしいポプラ並木がある。ポプラの木にはポプラの葉が付くことで世界的に有名なポプラだが、残念ながら既に老木らしく、倒れると危ないと言うことで並木を通ることはできないようになっている。ここでも捏造写真を取った気がして仕方が無いのだが……ないらしい。


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