第7章 大英博物館(六日目)

1.大英博物館
2.セント・ポール寺院
3.ロンドン名物タワーブリッジ
4.さらばビッグベン

4.さらばビッグベン

ホテルの最寄り駅に辿り着いた我々は考えた。
というか、忌まわしい現実を思い出した。

ホテルのトイレがビッグベン。

何の標語だ。


だが、あの匂いは本当にヤバいのだ。
行ったものでないと分からない。
俺は食ったことが無いのだが、きっとクサヤというのはああいう匂いなのだろう。
なぜロンドンにまで来てクサヤなのか。

いや、クサヤを食ったことは無いのだが。

一時は芳香剤を購入しようという案が挙がったのだが、さすがにそこまでやらねばならぬ筋合いは無いし、何より芳香剤を英語でなんと呼ぶのか分からないので、とにかくi一度ホテルに戻ることにした。最悪、日系イギリス人のホテルのおっさんににこやかな日本語でまくし立てるしかない。


ところが。
ホテルに戻ると、なんと匂いが消えているのである。


……え?


きれいさっぱり消えている。

昨日入ったときには匂いがあった。
今日はない。

つまり、デフォルトであの匂いではないということだ。

てことは、

見えないどこかにブツがあったということか?










やめよう。
そういう話は。





そしてこんな時にこんな話をするのもなんだが、晩飯はカレーだった。
ホテルの近所にインド料理屋があったので、そこまで行ってカレーを食う。
なお、かなめは何かホテルで寝ているのでいながきと二人で外に出た。


俺:マトンカレー、カレーピラフ、シシカバブ
いながき:チキンカレー、ライス、シシカバブ



これが、旨い。驚くほど旨い。本格的なインドカレー。

さすが、イギリス。インドを植民地にしていただけのことはある。
よく考えると、日本のカレーはインドからではなくイギリスから伝わったのだ。
イギリス料理はひどいものだが、イギリスのインド料理はかなりのものであることが判明。
大きな収穫である。

さて、ホテルに戻った我々は、かなめにイギリスのカレーの旨さを力いっぱい自慢しつつ、床についた。トイレの不安も無くなり、実に安らかに眠れた。


明日はいよいよストーンヘンジである。


第八章.ソールズベリへの短くて長い旅へ続く