第6章 移動日の悪戯(五日目)

1.大天使再び
2.霧のロンドンエアポート
3.中華料理店
4.トラファルガーの戦い

4.トラファルガーの戦い

飯も食い、満足したところでトラファルガー広場へ。
運良くクリスマス前だったので、ノルウェーから贈られたという巨大なクリスマスツリーが飾ってあった。

トラファルガーの戦いってのは、当時圧倒的な力を誇っていたフランス皇帝ナポレオンを、イギリスのネルソンが打ち破ったという歴史的な事件なのだが、広場の中央、地上56メートルの塔の頂上にいるネルソン提督像は、写真にすらまともに写らない。何を考えてこんなに高いところに像を作ったんだろうか?

そのはるか下には、チャールズ1世の雄雄しい騎馬像が。
とりあえず、ネルソンというのはイギリス人の中ではかつての国王チャールズ1世の50m上に位置するに値する人物らしい。


ロンドンの名所その2 トラファルガー広場


1805年、ナポレオン率いるフランス軍を、イギリスのネルソン提督が破ったのがトラファルガーの戦い。それを記念して作られた広場。ここは全ての二階建てバスの集結地点なので、人が集まりやすい。

ものすごく高いところにネルソン提督の像が立っているのだが、あまりに高すぎてよくわからない。

このネルソンの塔を、三越のライオンのモデルになった4頭のライオン像が守っている。

なお、ここにはクリスマスシーズンになるとノルウェーからクリスマスツリーが贈られる。
第二次世界大戦中にノルウェー国王一家が、英国民に歓待されたことに対するお礼としての、ノルウェー国民からのクリスマスプレゼントらしい。

ちなみにトラファルガー広場は、猿岩石のユーラシア大陸横断ヒッチハイクのゴール地点である。

とはいえただの広場なので、一通り見るとあとは特にすることが無い。
ゴミの多い地下鉄に乗って、ホテルに戻る。

と、途中でインターネットカフェを見つけた。
せっかくなので、掲示板に書き込みをしていくことにする。
15分1ポンド。ってことは、1時間800円?高っ!!

帰りに、コンビニのような場所でジュースを買って帰ることにした。

俺は、イチゴミルク
いながきは……700mlの飲み物。買うなよ、そんなに大量に…
いながきはこれもイチゴミルクぐらいだと思っていたようだ。
だが……

その夜。
我々は相変わらずビッグベンの香り漂うトイレを何とか避けるべく、共用トイレを利用。
なるほど、共用トイレには例の香りが無いところを見ると、やはり何か有るに違いない。

さっき買ったイチゴミルクを開けてみる。俺のは紛れも無くイチゴミルクだった。
だが……

いながき「あっ!!
るしふぇる「どした?
いながき「
ヨーグルトだ…

それは、フルーツヨーグルトだった。

ヨーグルトドリンクと表現するのは少々はばかられる、ほとんど固体、かなりドロドロのヨーグルトだった。

そして。
夜中、何かにぶつかったフルーツヨーグルトは、落下
ホテルのじゅうたんにその約半分を吸わせてしまう。

るしふぇる「……ヨーグルトはまずいんじゃねぇか??
いながき「まずいね


応急処置は済ませたものの、明らかに通常と違う模様のじゅうたん。

まぁ、黙っていればわかるまい。


第七章、1.大英博物館へ続く