PARADISE LOST


ルシファー=サタンという図式の一般化にもっとも貢献したのが、イギリスの詩人ミルトンの叙事詩『失楽園』(1677)である。イギリス文学の最高峰とまで言われる『失楽園』では、地獄に落とされたサタンが神に復讐する様を描く。

神の御子たるイエスが唯一神から世界の統治権を譲渡された時、サタンは嫉妬と対抗心に駆られて天国で反乱を起こした。サタンは天国の北方に広大な領地を持っており、その地位と影響力を持って天国の三分の一を反乱に引き込んだ。だが、結局サタンは御子に完敗し堕天する。

幽閉地である地獄の支配者となる事を選んだサタンは、唯一神の被造物の中ではただ一人、自発的な悪意によって神に背いたために、あらゆる悪の根源的存在とされる。そのため、誘惑によって堕落した人間とは異なり、決して救済されることはない。

失楽園においては、「ルシファー」は彼の栄光と輝きを喩える場合の言葉として用いられる。天使としての名前はにあったとされるが、本来の名はこの世の言葉から消去され、サタン(反逆者)とだけ呼ばれるようになった


本来の伝承では高位の天使と言われるが、失楽園における天の位階は明記されていない。

Luciferとは
SatanとLucifer
失楽園のSatan
Satanの歴史
Luciferの起源
戻る