Satan and Lucifer

サタンとは、ユダヤ・キリスト教における一般的な魔王の名前である。

初期キリスト教の文書では、ルシファーはサタンの同義語とみなされ、したがってルシファーは悪魔の指揮官と考えられたのである。

現在では、ルシファーとサタンを別のものとして扱う事もあるが、
ミルトンの影響から、天にあってルシファーと呼ばれていた天使が、地獄に落とされてサタンとなったというのが一般的である。

サタンとルシファーが結び付けられたのは、オリゲネスに始まる。
曙の明星あるいはルシファー(金星)を、亡くなったばかりのバビロン王になぞらえる『イザヤ書』の一節

朝の子、明星よ、
いかにして天より隕しや。
汝さきに心のうちにおもえらく、
われ天にのぼり、
わが位を神の星の上にあげ、
北の極なる集会の山に座し、
たかき雲にのぼり、
至上者のごとくなるべしと。


この、「あしたの子、ルシファー(金星)よ、いかにして天よりおちしや」
を誤読したことに基づく。これによってルシファーと堕天が結び付けられたのだが、
この誤訳に至るまでには複雑な経緯がある。それについては別項「Luciferの起源」にて説明する。


新約聖書『ルカによる福音書』では、神の子であるサタンが稲妻のように台地に落ちていくのをイエスが目にする。これがルシファーの堕天にまつわる最初の話である。


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