第四章 増えるマリモ

1.摩周湖リベンジ
2.増えるマリモ

3.日本一放し飼い
4.初テント

<本日の予定>
・摩周湖リベンジ
・阿寒湖でマリモの生態に迫る
・北キツネと闘う
・適当な場所にテントを張る

3.日本一放し飼い

阿寒湖に戻り、次の目的地はキタキツネ牧場。まこり一押しの観光地である。

途中、「やりかけだけど、舗装するの飽きちゃいました」的な、どうしようもない道道(県道の、北海道バージョン)の山道を通り、ナウシカにでも出てきそうな綺麗な湖(レマン湖と名づけられた)を横目に、苦労の末に辿りついたキタキツネ牧場。ちなみに、この牧場のキャッチフレーズは

「日本一放し飼い」

である。明らかに日本語がおかしい
入ると、いきなり鳥居がある。牧場になぜ鳥居?
早くも嫌な予感である。あの、茨城共和国最強の「ゆうもあ村」を彷彿とさせる、あのやばいオーラである。

入ると、いきなりとうもろこしが売っている。しかも、北海道旅行中、初めて見た表記。「とうきび」ではなく、「とうもろこし」なのだ。ますます胡散臭い。

中に入ると、なるほど、確かに日本一放し飼いだ。キタキツネが手に触れる場所にいる。スペースは、やけに細長くて人間が移動できる部分が少ないのだが、それでもキツネとコミュニケーションは充分に取れる。さっき売店で見た営業部長っぽい動きをするキツネもいた。
牧場自体は全般に汚く、たくさん立っていたと思われるヒマワリの花も、バタバタ倒れている。

入口の解説を読むと、どうも、「キタキツネは白い」という俺の認識は別に間違ってはいないらしい。ホッキョクギツネと呼ばれる種類のキタキツネは、冬になると毛が生え変わって白くなる。すなわち冬季限定。どうせなら冬に来てみたいものだ。

ここで、まこりがまたも暴挙に出る。
キツネの餌入れから餌を強奪して、他のキツネにあげに行ったのだ。
無論、他のどの客もそんなことはやっていない。
しかも、餌箱の上に乗っていたキツネは、まこりをあきらかにさげすんだ表情で見つめている。キツネに見下されるまこり。人間としての尊厳が問われるところである。

そんなこんなで、手からキツネに餌をやっている。だが、以前ヤギやウサギに同じことをして、指をかまれた前科があるまこり。また噛まれるんじゃないかと、とりあえず近づいてみる。

るしふぇる「おい、また噛まれるぞ
まこり  「大丈夫、もう噛まれた
るしふぇる「あ、……そう。


キタキツネ牧場を後にするオザワゴン。見ると、結構他にもキタキツネ牧場は存在した。だが、「日本一放し飼い」などという恥ずかしいフレーズを掲げるのは今の場所だけであり、我々はここを北海道のゆうもあ村に認定することにした。


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