第四章 増えるマリモ
1.摩周湖リベンジ
2.増えるマリモ
3.日本一放し飼い
4.初テント
<本日の予定>
・摩周湖リベンジ
・阿寒湖でマリモの生態に迫る
・北キツネと闘う
・適当な場所にテントを張る
2.増えるマリモ
次の目的地は、阿寒湖である。マリモの生産で全国でも有数の漁獲量を誇る、例の阿寒湖である。どうも予備知識に多少の間違いが含まれてそうだが、まぁ大まかに言ってそういう湖だと思う。
阿寒湖は、噴火活動によって三つに分かれたのだという。パンケトー、ペンケトー、そして阿寒湖。そのうち、マリモが生息するのは阿寒湖の中の一部分だけらしい。まさに、天然記念物だ。
途中にある「双湖台」という所に降りる。ここは、パンケトーとペンケトーの二つの湖を眺めることができる展望台。ちなみに、パンケ=下、ペンケ=上、トー=湖 である。多分アイヌ語。
ここのお土産屋で、「とうきびチョコ」を買うことにする。これまで「とうきび」がなんなのかわからなかったのだが、ここへきてやっと判明する。北海道では、とうもろこしを「とうきび」というらしい。言葉だけ知っていた我々も、旅行会議の中で「さとうきびのことか?」「いや、違うだろう」という白熱した議論を呼んでいたわけであるが、ついに謎が解けたわけだ。
さて、この「とうきびチョコ」だが、味は「とんがりコーンにホワイトチョコ」という感じ。まずくはないがまた買おうという気にもなれない程度の味であった。
二つの湖を見た後、阿寒湖に移動する。阿寒湖といえば、マリモ。マリモと言えば、阿寒湖なのである。阿寒湖を見る前に、マリモ博物館みたいな所に入る。阿寒湖周辺について、ちょっと学習できるのだ。それによれば、
・なんとかマリモという生き物は、世界中にたくさんいる。山中湖にもいる
・阿寒湖の、純粋な「マリモ」だけが、球形をしている
・「マリモ」は、スウェーデンにもいる
・まともな大きさになるのに、数百年かかる
・雪だるまのように転がりながら巨大化する
・最後はプチンと割れて、破片から再スタート
・中はなんと空洞
ちなみにコンピュータで「阿寒湖の自然テスト」というのをやった。4択で5問、1024分の一をパーフェクトである。突然ファンファーレが鳴って、かなり驚いた。しかし、こんなところで運を使っていてはダメなのである。
博物館の中には、ヒグマの剥製なんかも置いてあった。「熊牧場」から来たと言うそのヒグマは、心なしかファスナーがついてるように見えなくもなく、ちょっとだけ胡散臭さを感じてしまった。
さて、いよいよ湖に向かう。マリモを拾ったりはできないだろうが、住んでるくらいだからたいそう綺麗な湖なのだろう。湖へは、結構歩かないといけないらしい。
この道の売店には、変なものがたくさんある。最初に目にとまったのは、「営業部長のコン太」である。土産物屋の入口につながれている、子ぎつね。まだ生まれて半年くらいらしく、なかなか可愛い。その割に「一緒に写真を撮りたい方は、中でお土産を買ってください」と、かなりの営業部長ぶりである。
その隣の店には、やはり営業部長の「おさるのよたちゃん(13)」がいた。どっちが始めたのかわからないが、とりあえずライバル同士であろう。
また、「まりも浴場」などという店もあった。温泉の中にマリモが入っているのが容易に想像でき、風呂でまりも投げができるかもしれないと思うと、ちょっとばかし羨ましかった。
なお、途中の売店で、「ドラキュラの葡萄」なる怪しげな北海道限定の飲み物を買う。「ハスカップ果汁」と書いてあるが、そもそもハスカップが何なのか不明。味はブルーベリー系で、結構美味しい。
そして、ついに阿寒湖。
「!!!!!
誰もが驚いた。それは、なんというか、完全に観光地化された、自然の自の字もない、いかにも人口っぽい浜辺であった。ここにマリモが住めるのだろうか?
仕方なく、捏造写真5を撮る。タイトルは、『鹿の上で疲れた先生とはしゃぐ生徒』である。
その他、阿寒湖の売店で、変なものを見つけた。
その名も「まりもソフト」である。
今度は、摩周ブルーに引き続いて緑色なのだが、値段が結構張る。バニラ味なのに、300円。
よく見ると、こんなことが書いてある。
「中に秘密があります!食べた人だけがわかる秘密」
……騙されそうだ。
いいのか?ここで騙されていて。
………だが、ここで買わないと一生後悔しそうだ。
葛藤。頭の中で天使と悪魔が囁きかける。
……………珍しく、天使の勝ち。
しかし後ろ髪引かれながら、我々は次の目的地「アイヌコタン」へと向かった。
アイヌコタンへは、阿寒湖から歩いていける。アイヌ民族の中心の集落らしい。200人ほどのアイヌ人が住んでいるそうだ。例によってストップウォッチを使うと、9分38秒でついた。思いのほか遠い。
アイヌコタンは、傾斜になっていた。一目で見渡せるような狭い村。ドラクエに出てきそうな、箱庭っぽい村だが、入口に熊の剥製が飾ってあったり、独特の雰囲気があって面白い。
とりあえず、俺の目的はここでアイヌ神話の本を探すことであったが、なかなかみつからない。なんとか、「アイヌの昔話シリーズ」全5巻を買い、目的を達成した。
昼飯は、ここで食うことになった。アイヌ料理を扱う変なラーメン屋に入り、飯を食う。俺はちょっと奮発して「鹿肉定食(1300円)」を注文した。鹿肉ステーキ、ちょっと鹿臭い気がするが、味はビーフに近い。しかしそれほど生臭くはなく、さっぱりしてて美味しかった。でも、この店、注文してからモノが出てくるまでが長い。
ところでこの店の店員の兄ちゃん、独特のノリ。なんか、テンポがいいのだ。ここの目玉メニューは、「アイヌ薬草料理」だったかなんか。聞くと、「行者にんにく」という健康食品を調理してくれるらしい。
いがた「どんなのが出て来るんですか?
兄ちゃん「うーん。例えば……卵とじとか、あとは…………卵とじとか、それから………………卵とじかな?
卵とじしかないんかい!!
たまごだけですかー って感じだ。
しかも、あろう事に、
「じゃあ、行者にんにく一つください」というと、
「じゃあ、一番人気のバター炒めにしますね」
た、たまごはどうした!!!!!!!??????
飯も食い終わり、阿寒湖への帰り道、我々は見てはならないものを見てしまった。
道上に白墨でかかれた文字列。
「タバコの灰、捨てたら”あかん”」
これが、数メートル毎に書かれているのである。これは、寒い。
コメント集その7 「阿寒湖の感想」
たけし | ちょっと観光地化しすぎでガッカリ |
まこり | コン太とよたがよかったまこり。お昼代高かったまこり。 |
はるか | アイヌ料理食べたかったなぁ。 |
いがた | 不思議なノリの兄さんだった。 まりもの中身は空洞。 |