第5章 勝利の女神(四日目)
1.ルーブル美術館
2.エッフェル塔
3.フランス料理再び
4.大天使ミカエル
3.フランス料理再び
晩飯は、パリ大学の近くにあるというレストランで食べることにした。
本によれば、学生街だし安くておいしいと評判のお店である。
こじんまりとした店の中に入ると、意外と客は少ない。いつも通りメニューを見ながら悩んでいると、店員が声をかけてきた。なんとここには「日本語メニュー」があるらしい。素晴らしい店である。
しかし言語が変わったら悩まないかというと全然そんなことはなく、店員が一つ一つメニューの説明をしてくれつつも結局アタマを抱える三人。すると、後ろから新しい客が入ってきた。
………集団の日本人だ!!
家族で来たと思われるその日本人たち。
菅井きんの顔を持つおばあちゃんを筆頭に、やたらとやかましく日本語メニューを眺めている。
奴らに負けるわけには行かない。結局我々は、
るしふぇる: | エスカルゴ、レバーのワイン煮、シャンパン、プリン |
かなめ: | カレー、チョコレートパフェ |
いながき: | カレー、ホロホロ鳥のグリル(?)、プリン |
というメニューだった。カレー王ではあるが、俺はフランスの米に馴染めなかったので、レバーと、念願のエスカルゴを食う。エスカルゴはかなりいい値段をした気がするが、今回の旅の目的の一つでもあるため、ここは奮発。
さて、それぞれの料理だが、エスカルゴは昔々食べたものと多分味は一緒。カタツムリの殻を掴む独特の道具を使う。味は……ニンニク系のソースがかかっていて、まぁエスカルゴ自体は大して味は無いような気がした。貝みたいなもんである。
エスカルゴを一つ、かなめにあげた。
るしふぇる「ちゃんとヤクザの叔父さんに伝えとけよ。るしふぇるがエスカルゴくれたって
ポイント稼ぎも大変である。
で、レバーのワイン煮は、なかなか美味しかった。
かなめといながきのカレーは実は違う種類のもの。少しもらったが、ちょっと変わった味がしていた気がする。
この店は、デザートがなかなかよかった。プリンは確か焼きプリンだった気がするが、これが中々の絶品。かなめのチョコパも、異常なほど生クリームが乗っかっていて美味しそうだった。
最後にチーズを注文したが、あまり口には合わなかった。竹に買ったチーズも、きっとこんなんなんだろうなと思いつつ、チーズはお土産に買わなくていいやと思った。
飯を食っている途中、となりにフランス人のカップル(多分学生)が座った。なんか我々を見ながら笑っていたような気がするが、何がおかしかったのだろう。心当たりがありすぎてわからない。
男の方はえらくパワフルな感じの兄ちゃんで、巨大なステーキを食い散らかしていた。一方、姉ちゃんの方はパリジェンヌって感じだが、食いっぷりが素晴らしく、顔の形が変わるくらいの大口で料理をほお張っていた。
「こ、これがパリの食い方か……!!」
感動してしまうくらいの豪快さ。ちょっとカルチャーショック。
帰るころになると、店がものすごく混んで来て、出口付近は移動もままならない。店自体は大して大きくないのだが、やっぱりガイドブックに載るだけあって、なかなか評判の店であったようである。
昨日のちょっと高級な感じのフランス料理もよかったが、こういう地域に根付いたレストラン(だからといって決して安くはないが)も悪くないなと思った。
次回、4.大天使ミカエルへ続く