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第2章 メトロポリタン美術館(2日目)

1.パパイヤキング

今日は終日自由行動である。
午前8時起床で、9時ごろホテルを出発。
なお、この旅行には朝食がついていないので、街で朝飯を食う。

ホテルは8番街で、結構でかいペンシルバニア駅のすぐ近くなのだが、あまり使わない。
地下鉄はほとんど縦に走っており、8番街の地下鉄はあまり観光には向いていないのだ。

とういわけで、やっぱり徒歩15分ぐらいかけてグランドセントラル駅まで歩き、地下鉄で移動。
ちなみに、今日は旅行会社から支給された一日乗車券を使う。7ドルで買えるやつだ。

朝食は、パパイヤキングという、鈴木を偉くしたような名前のホットドッグ屋でホットドッグとマンゴージュースを注文。パパイヤキングだったが、パパイヤジュースがあったかどうかは不明。

立ち食いの店だが、結構ガイドブックでは高評価なのである。
サイズも普通で、ペロリと二個はいける。日本のホットドッグよりも軽いかもしれない。
ちなみに、アメリカのホットドッグのソーセージはビーフが基本らしい。
滞在中、ポークのソーセージは一度も見なかった。


2.メトロポリタン美術館

朝食後、メトロポリタン美術館へ移動。
世界四大美術館の1つである。これは、マンハッタンの北部、セントラルパークの中にある。

世界四大美術館ってのは諸説あるのだが、「大英博物館」「ルーブル美術館」「故宮博物院」「メトロポリタン美術館」だとすると、これで四つ制覇したことになる。でも、最後の1つを「エルミタージュ美術館」とするとまだ足りない。やっぱりロシアまで行かねば。。

ちなみに、美術品にあまり関心の無いことで知られるいながきも、何気にこれで4つ制覇だ。
ここまで美術品に関心が無いくせに4大美術館を制覇した男も珍しいと思う。


メトロポリタンはセントラルパークの中と言えば中なのだが、実際は公園の外に入り口がある。
公園の中に入ってしまって一瞬迷ったのだが、そこで不思議な光景を目にした。


公園の北に向かう人々の大群。

この人数は尋常じゃない。
全く途切れない、ものすごい数の人が、公園の中を北へ北へと進んでいく。
何かのデモ行進かと思ったが、公園の中でやってもしょうがないだろうし、特にプラカードを持って何か主張しているわけでもない。

結局謎は解けなかったのだが、なんだったんだろうか。。



というわけで、メトロポリタン美術館に入ってみる。
入り口でチケットを買うのだが、ここはお金を払うと「M」と書かれたバッチをもらえるシステムになっている。
これをボタンの穴に通して、入場許可証とするわけだ。


しばらく中をうろついていたのだが、さすがに予想以上にでかい。
下手すると、ルーブルよりも広いかもしれない。さらに、つながりが分かりにくいので余計に迷ってしまうのだ。

ルーブルや大英のように、地域別に分かれた美術品や歴史的な遺物の展示がメインなのだが、その他にテーマ展示として、「武具」を扱った展示があった。

西洋の鎧を中心に、日本の鎧兜や、中国の鎧なんてのもあった。
ブロードソードやレイピア、日本刀など武器もたくさんあって、なかなか面白い趣向だった。

展示品を見ると、西洋では馬にも相当ゴツい鎧を着せていたようだ。こんなんで歩けるんだろうか、というぐらいでかい鉄の鎧を馬が装備していた。


地域別の展示で面白かったのは、アフリカ。
アフリカ人ってのは、およそ西洋人や我々日本人なんかとは明らかに違う発想で美術・工芸品を作ってる。
言い換えると、どうみても「ヘン」なものが多い。「とてつもなく」どうかしてる。目がでかかったり、鼻がでかかったり、あごがでかかったり、何か余計なものがくっついていたり。デフォルメが激しいのだ。

しかし、ヘンだからといって、その文化が遅れてるとか、劣ってるとか言うわけではないのだ。
何故かと言うと、それは、我々が通ってきた道とは違うからだ。我々が通ってきた道のはるか後ろを通っているのであれば、それは文化としては遅れているのかもしれない。遅れている事が劣っているかどうかはまた別の議論になるが、少なくともアフリカの工芸品のデザインは我々の歴史には無かったものであり、従ってそれは遅れているとは言えない。単に異質なだけだ。

ただ、やっぱり異質なものに対してはどこか恐怖を感じるのも事実だ。何考えてるか分からない恐さ。純粋に見ていて面白いが、同時に恐くもある。こんなものを作っている人たちと仲良くなれるか? 価値観の違いを受け入れるっていうのは、口で言うよりもずっと難しいことなのかもしれない。


3.タイムズスクエア

昼過ぎ、メトロポリタン美術館から出る。
はっきり言って、広すぎて全然見切れない。
半ば諦める形で美術館を後にし、セントラル・パークを横断することにした。

それにしても、この公園は広い。
ニューヨークのアイデンティティってのは、やっぱり摩天楼なんじゃないかと思う。

東京にあるものをはるかに凌駕する圧倒的な高さのビルが、当たり前のように乱立している。
空港からマンハッタンにやってくる途中、明らかにでかいビルが並んでいるエリア。それが、ニューヨークだ。

その世界の中心たる大都会にあって、めちゃくちゃに広い公園。
横断するだけで一苦労だ。都会に緑を、という合言葉で生まれたというセントラルパークは、事実マンハッタンの何分の一かの広さを緑で埋め尽くしている。本当にアメリカ人は何もかもがでかい。

公園を抜けて、地下鉄でタイムズスクエアへ移動。
タイムズスクエアは、多分NYで一番栄えているエリアだと思う。
42番通りと、ブロードウェイ及び7番街の交差するエリア。

昼飯をこの辺で食う事にする。
やっぱりアメリカに来たらステーキを食うべきだということで、ステーキ専門店へ入る。

そこは、肉を目の前で焼いてくれる、セルフサービス形式のお店。
めちゃくちゃデカいTボーンステーキを食った。12ドル。
ステーキは、言われているほど固くなかった。
でもトマトが固かった。
全体的に、とても大味だった。でかくなくていいものまででかい。それがアメリカだ。


食後、ガイドブックでちょっと気になっていたユダヤ博物館へ行った。
しかし、行ってみたら休業日。
土曜定休、と書いてあったので、土曜は外したつもりだったんだが。。
俺らの他にも一組、別の外国人が開かない入り口にがっかりしていた。
その人たちによれば、今日はユダヤ人の祝日らしい。

わかんねーよそんなの。。


ところで一応、Googleで10月第三日曜日も、10月19日も調べてみたんだが、特に何か祝日っていう感じでもないようだし。。
しかし、考えていても仕方がないので諦める。
後でまた来てみよう。


その後、いながきの希望で、地上4階建ての巨大なディズニーショップへ。
ここは、ものすごい量のディズニーグッズが売っている。
俺はあまりディズニーに詳しくないのでよくわからんが、とにかくすごい量だ。

ただ、ほとんどがぬいぐるみなので、グッズの種類自体はそんなにいろんなものがある訳ではないようだ。

なお、いながきの妹であるところのみさべーは、くまのプーさんが嫌いらしい。
くまのプーさんが嫌いだという婦女子の話を俺は初めて聞いたのだが、なんでも「何もしなくて性格悪いのに人気者なのが気に入らない」らしい。プーさんの性格が悪いとは知らなかった。
しかし、日本にいるかなめも、何もしないのにそれなりに人気があるところを見ると、みさべーに気に入られていない可能性がある。これを読んだかなめは注意すべきだ。


さて、ディズニーグッズを回った我々は、ちょっとというかかなりお疲れになってしまった。
マンハッタンの危険なところは、碁盤の目状の土地で、何となく歩いていけばすぐに着いてしまうような錯覚に襲われることだ。

だが、実際は結構歩かされる。今日一日で、ものすごい距離を歩いた計算になるのだ。
怖いので計算はしないが。

というわけで、ちょっと休憩がてら、ホテルに戻ることにした。
時間も17時を過ぎたし、これ以上は観光地もあまり動いていない。
仕切りなおして、夜の街に繰り出そう。


。。。。と思っていたのだが、ホテルに着いて速攻で爆睡してしまった我々が気づいた時には、既に深夜の23時。

寝すぎだよ。。。

しかし、その上でまだ眠い。
幸い、昼間のステーキが尋常じゃない量だったので、それほど空腹感もない。
というわけで、そのまま寝てしまうことにした。

というのも、翌日はナイアガラツアーの日。
午前4時40分に、ヒルトンホテルに集合になっているのだ。
そんなわけで、まぁ夜がちょっと無駄になってしまったが、「明日元気に観光できるのなら別にそれはそれでいいか」というようなポジティブシンキングに身を任せて、再び眠りに着いた。

夢うつつの中、いながきがマックで晩飯を買ってきていたのを微かに記憶している。。

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