第二章 ゴーストタウン
<本日の予定>
・北海道に到着
・日高まで移動
2.ゴーストタウン「室蘭」
18:30、フェリーは白鳥大橋をくぐり、定刻通り室蘭到着。19時ごろ、オザワゴンが北海の大地に降り立つ。
到着の瞬間、一同から拍手が起こる。これまでの船上生活のうっぷんを晴らす、気合いの入った拍手である。
とりあえず、晩飯を食おうということになるが、なぜか室蘭、人が少ない。店が開いてない。まだ19時なんだから平気そうなもんだが、本当に店が開いてない。まさにゴーストタウンである。
室蘭駅前には長崎屋があった。とりあえず、そこに移動。今日は車中泊になる予定なので、明日の用意とかをしなければならない。
それにしても、長崎屋、室蘭周辺に負けず劣らず人が少ない。人口密度が低すぎるのである。ていうか、客より店員の方が多い。
いがた「だから潰れるんだよ
とりあえず、仕方が無いので店に入って晩飯だけとっとと食うことになった。何気に、久々のまともな食事である。しかも、なにやらタイムサービスとやらで、100円引きになっている。これはうれしい。だが、「一定料金以上のものに限る」ので、当然まこりはそれに達せず、値引きされない。
メニュー構成はこんな感じ。
るしふぇる・たけし | ……かもすき丼(鴨肉の卵とじ丼) |
はるか・いがた | ……エビ丼(エビフライの卵とじ丼) |
まこり | ……シーフードカレー(シーフードのカレーとじ丼) |
晩飯後、これからにそなえて、いろいろ買い物をしておくことにする。
食料品売り場(しつこいようだが人口密度低し)を散策すると、いろいろ珍しいものが見つかった。だが、特別海産物が安いとかおいしそうとか言うわけではなく、ちょっとガッカリ。
その中で、まこりの目を引いた「北海道限定」……ナポリン。
自分の名前と微妙に似てなくもないその清涼飲料水(1.5リットル)には、明らかに「赤色3号」っぽい嫌な感じの色使いがされていたが、本人はそれを苦ともせず、むしろ「自腹切るから」という切実な願いにより、ナポリンを購入した。
その他に、長崎屋では「お〜いお茶(伊藤園)」2リットルが、6本で900円という破格の値段で売っていたため、それを共同財布で購入。各自最初に買ったペットボトルに、随時輸血する形になる。これは後々を考えても大成功だった。
ここで、我々は共同財布に名前を付けることにした。まこりが「うにゅ」にしようなどと言ったが、即行却下。やはりここはせっかく北海道なので、フェリーの名前にちなんで「ばるな2号」という俺の意見が通った。通称ばるな、である。
コメント集その2 「室蘭の感想」
たけし | 暗すぎ |
まこり | 店あるのに閉まって過ぎ |
はるか | 寒っ。 |
いがた | だから長崎屋はつぶれるんだよ |
さて、いよいよ出発である。長い戦いが終わり、これより北海道散策を開始する。つまり今まではプロローグであり、これからが「北海道旅行記」なのである。前置きが長いことで有名な俺の旅行記も、これだけ本編までに時間がかかったのは初めてである。
まずは、オザワゴンは室蘭から北東、夕張を経て日高へ向かう。とりあえず今日はそこで停車し、車中泊。もう少し進んでもいいのだが、ガソリンも少々不安だし、その先山道が続くので、適当に止まっておこうという作戦。
日高へと進む途中、オザワゴンの前に何かが通り過ぎた。
るしふぇる「……キツネだ
危うくキタキツネを引きそうになるオザワゴン。俺は気付かなかったが、道には結構死骸がたくさん転がっていたらしい。
ところで、俺はキタキツネと言うのは「白いキツネ」だと思っていたのだが、実は全然そんなことはなく、全然全く普通のキツネ色をしたキツネだった。ちょっと残念である。
それはそうと、道々立ち寄った北海道のパーキングエリアには何もない。どれくらい何もないかというと、トイレは愚か、自動販売機すらない。「土地が余ったんです」程度の申し訳なさなのである。
数時間のドライブの末、日高にたどり着く。「道の駅」で、車中泊。
なんか車の中は暑く、23時に寝ろとかいう無理な注文をされ、夜型の俺としてはかなり辛いものがあったが、まぁなんとか2〜3時間くらいは寝られたような気がする。車中泊、できないこともないが、やっぱりちょっときついことが判明した。
コメント集その3 「車中泊の感想」
たけし | やっぱせまいが、なんとなかるもんだ |
まこり | 3人で1つの寝袋を使った |
はるか | オザワゴンは偉大だと実感 |
いがた | となりのトラック、エンジン切れよ |