第8章 トンレサップ湖(7日目)

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今日の予定は午前中トンレサップ湖とオールドマーケット。午後は飛行機でバンコクに戻る。

1.トンレサップ湖

7:30頃起床。

一時はどうなることかと思ったIミツの体調は、かなり良くなってきている。
恐らく、タイ料理の香辛料に押されていた胃腸が、比較的穏やかな味のカンボジアで回復したのだろう。

しかしまずいことになった。
今度は俺が食当たりしたようだ。その影響か、妙に眠いし、体もだるい。

まぁそれはそれで仕方がない。朝食を控え目にとっていつものようにロビーに集合。
今日のガイドは日本人だった。日本で司書をやめてカンボジアにやってきた経歴を持っている。

午前中の目的地はトンレサップ湖。東南アジア最大の湖である。

今は雨期なので、サイズは何と琵琶湖の10倍〜15倍に及ぶらしい。
分かりやすい比較だと東京都の5倍とか。。

ちなみに乾期だと琵琶湖の3倍〜4.5倍らしい。
それでも十分でかいが、やはり最大サイズの状態の方が良いに決まっている。
変身前のフリーザ様と最終形態のフリーザ様なら、後者と戦いたいのが真のサイヤ人だ。

ということで、バスに揺られながら湖の側へ。
この辺りの民家は、高床式だったり湖に浮かぶタイプだったりする。
住民のほとんどが漁師なんだそうだ。



平日の昼間だというのに、みんな働いてるんだか遊んでるんだか昼寝してるんだかよく分からない。
みんなのどかに生活している感じだ。同じことができるかというと微妙だが、のんびり生きるのも悪くない。

アンコール三聖山の一つプノン・クロムの麓でモーターボートに乗り、トンレサップ湖クルーズ。
晴れていて、景色もすごく綺麗だ。吹き込んでくる風が心地良い。
こんだけでかいのに海ではない、という状況が面白い。






何しろ水平線が見える湖だ。浮き草や空芯菜が漂ってたりしている。ある種異様とも言える光景。



沖(というのも変だが)へ出て少したゆたった後、水上の…なんだろう。小屋?のようなものに連れて行かれる。
湖の上に建ってるんでなければ、これ全体が船なのか…?

ここにはタライに乗って湖に浮かぶ一寸法師みたいな子供たちがいてのどかだ。



ボートをつけて、中に入る。
いけすに飼われている大量のワニやらナマズがいた。初めてまじまじと眺めてみたが、ワニの口って黄色いんだな。
食事なんかもできるようで、テーブルの上には茹でたか揚げたかしたエビが沢山載っていた。

ここの土産物屋で、バイヨンの四面仏の木彫りの置物を買った。手作り感のあるタイプだ。
昨日の土産物屋にも似たような物があったが、値段は3分の一ぐらい。

ここには他にも色んな動物が飼われていた。
大蛇もいたが、面白いのは檻の中でハンモックを自在に揺らす小さな猿。

近づいて観察していたら危うく檻の中から手を伸ばされてカメラを奪われかかった。
猿あなどれないな…と一人で猿を見て和んでいたら、危うくボートに置いて行かれそうになった。
猿だけでなく人間も油断できん。。




2.オールドマーケット

さて陸地に戻り、バスは現地人の台所・オールドマーケットへ移動。

なおここで昨日一緒に飲みに行った二人は自由行動の現地解散にしたようだ。
「自由行動中に何があっても責任は取りません」みたいな文書にサインしていた。

バンコクのウィークエンドマーケットを彷彿とさせるが、まぁしかし、さすがに規模的に見劣りするかな。。
掘り出し物があったかどうかはよく分からない。SHOHEが謎の楽器に惹かれていたぐらいだ。



それより俺はお腹の調子が心配だ。どうも悪化しているような気がする。
何に当たったのか全く心当たりがない。他の二人は(特にSHOHE)いたって元気なのに。

昼頃、ホテルへ戻ってツアーは解散。

全然意識してなかったのだが、旅程表にも明記してあるように今日は昼飯が付いていない。
特にオプショナルツアーを勧められた訳でもなく、何故か集合時間まで3時間ぐらいある。
とは言え、チェックアウトしてしまった後なので部屋に戻って昼寝という訳にも行かない。。

SHOHEは「アンコール・ワットの近くの気球に乗りたい」と言ってホテルのフロントで交渉していたが、行って帰ってくると集合時間に間に合わなそうなので断念。このまま帰れないというのもネタとしては面白いのだが、さすがに本人は笑えない。
仕方がないので、昨日飲みに行きかけたコンビニに買い物に行く。
次々に声をかけてくるバイクタクシーの誘いを断りながら、1kmだか2kmぐらい先のガソリンスタンドに併設しているコンビニへ向かう。

それにしても今日は…良く晴れている。
東南アジアの猛暑を実感できる暑さだ。これ、毎日冷房の効かないバイクタクシーで移動だと多分へばる。
シェムリアップでもらった小冊子にも書いてあったのだが、この国(街?)の人間は…本当に歩かない。
のたのた歩いている俺らはかなり異様だ。この辺りの人はバイクタクシーに乗ってたり車に乗ってたりと、歩いている人が本当に少ない。

コンビニでは日本へのお土産や、水などを買った。何か俺脱水症状気味。
ファンタのフルーツパンチ味という日本では見かけない物を飲んだ。味は…メロンソーダっぽいな。

猛暑の中歩いてホテルに戻り、特にすることもないので食欲はないがレストランで昼食。

俺はサンドイッチ、他の二人は焼きそばなんかを食っていた。
しかしこの昼に食った料理、よく考えると全て朝食に出てきた材料で作れる気がした。
昼に余った食材を朝使っているのか、朝使ってる食材でできる料理が昼のメニューに入っているのかは謎だ。
値段は安かった。普通に食っても一食3ドルとか4ドル。


3.バンコク再び

その後ホテルのロビーで何をしたのかはあまり覚えてない。何しろだるかったので。。
気が付くと集合時間になっている。15時ぐらいだったろうか。

最初にホテルに送ってくれたスンリーさんが登場。あの腰の低いガイドだ。
バスに乗って空港に連れて行かれた。

来たときは夜暗かったで気づかなかったのだが、このシェムリアップ空港は本当に小さい。
国際空港には見えない。今回ホテルから空港に着いたときも気づかなくて、どこかのホテルで人を拾うのかと思ってしまった。

そんな訳で、いよいよカンボジアともお別れだ。
総合的に、予想以上に面白かった。また来てもいいぐらいだ。

空港使用料25ドル(高い!)を払い、バンコクへ戻る。

バンコクについたのは19時ごろだ。
相変わらず空港に着くといつも雨が降っているが、観光する訳じゃないのでどうでもいい。

ところで、バンコクではやはり同じ日程の(ツアーの行程は微妙に違ったのであまり観光ではかぶらなかったが)女子大生二人組がいた。
話してみると、一人はどうも俺やIミツの後輩に当たるらしい。
初海外旅行がこのタイ・カンボジアなのだそうだ。熱いな。。
やはりカンボジアでお腹を壊したと言っていた。

一度市街にある彼女らのホテル(というか我々がバンコクで泊まっていたホテル)に寄り、その後我々は空港近くの我々のホテルに連れて行かれた。
同じツアーなのに何でホテルが違うのかとか、空港に近いにも関わらず何故後回しにされたのか等の理由は(一応説明されたのだが)よく分からなかった。この国では日本語リスニング能力が試される。

我々が連れてこられたホテルは空港に程近い、ゴールドオーキッドホテル。
比較的新しくできたホテルらしく、これまでバンコクで泊まっていたホテルより明らかに綺麗だ。
部屋に入ってみても、やはり豪華な造り。特にベッド以外のスペースがかなり充実している。
セーフティボックスもハイテクだし。。

しかし悲しいかな、今夜の午前3時30分集合で日本に戻るのである。
一泊というほどもこのホテルにはいられない。せっかく良いホテルなのに勿体ないなぁ。。

その頃にはお腹も回復してきたので、三人で市街に出ることにした。最後の晩餐だ。

地図を見ながらホテルの最寄り駅モーチットに歩いて向かったが、地図以上に駅が遠く途中で埒があかないことに気づき、タクシーを使う。
モーチットからバンコク中心部まで今回初めてBTS(高架鉄道)というものを使い、シーロムのインターネットカフェで情報を集めて今度は地下鉄に乗り、……などとバンコク中をグルグル回り、今夜帰るというのに無駄に土地勘が付いてしまった。
2時間は移動していたと思う。

その苦労の割に俺はお腹が全快じゃなかったので、結局晩飯は食えなかった。
SHOHEは生野菜の乗った麺と生焼けの虫みたいな物を食っていたようだが。。
ちなみにこの男、さらに屋台で生水まで飲んだが、ついに最後まで体調を壊さなかった。
まさに無敵の胃腸を持つ男と言えよう。


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