第3章 モスクワ クレムリン TOPへ  第5章 黄金の輪 ヤロスラヴリ

第4章 黄金の輪1 ウラジーミルとスズダリ


今日から、黄金の輪を巡るツアーになる。
黄金の輪(ザラトーイェ・カリツォー)とはモスクワの北東に古都が点在するエリアで、繋げると環状になることからそう呼ばれている。秋になると木々が黄色く色づくから黄金と呼ばれているからとか。

モスクワの朝はホテルの優雅な朝食バイキングから始まる。シャンパンを発見したので朝から飲酒である。
しあわせだ。。

普段は昼間っから平気でぐでんぐでんに酔っぱらうくせに、「朝から酒はさすがに」とか良識を気取るたけしを尻目にシャンパンのお代わり。
抜くところは抜かんと。どうせこれから3時間半バスに揺られることになるのだから。。。

ところで今朝、ツアーの中からパスポートをなくした夫婦が現れた。
どうやら昨日の武器庫で盗まれたらしい。う〜〜む。怖い。

残念ながら彼らはここでリタイアである。
しかし一応旅行会社がちゃんとしているのでサポートは充実している。再発行の手続きとかをこれから始めるらしい。やっぱりパスポートのコピーと写真は重要だ


1.ウラジーミルの黄金の門


出発が一時間ほど遅れたが、我々は黄金の輪の一角、古都ウラジーミルへと向かった。
ウラジーミルは人の名前で、ロシア人の中では一般的に使われる。意味は「世界の支配者」を表す。プーチンやレーニンもウラジーミルだ。

その名もウラジーミル大公によって作られた人口32万人のこの都市は、かつて12世紀頃ウラジーミル・スズダリ公国の首都として栄えていた。

途中にトイレ休憩も挟みながら、ホントに3時間半かけて、ウラジーミルの町へ到着。
朝飯を食って何もしていないがとりあえず昼飯からだ。


昼飯は
・サラダ
・野菜スープ(ジャガイモ、タマネギなど)
・ビーフストロガノフ
・四角いケーキ


▲ビーフストロガノフ。右にちらっと写ってるのがさくらんぼのジュースかな。

他にナナカマドのワインさくらんぼのジュースなどを注文。
このあたりはナナカマドの産地らしいのだが、まさかあれが食える物だとは思わなかった。
実際食っても渋いだけなんだけど。。。

度数が強く最初は苦みがあるが、徐々に慣れていく。
甘みの強いワインで、こういうのもありかもしれない。

ビーフストロガノフは名物料理だが、普通に美味しかった。
早い話がクリームシチューがけご飯なんだが。まずくなり様がない。


食後、ウラジーミル名物の黄金の門へ。



この凱旋門は、現在はてっぺんのかぶと坊主だけが金色の白い建物だが、かつては全面的に金箔が貼られていて本当に金色に輝いていたらしい。
側には土塁があって、ここも城壁だったようだ。今は土塁が一部壊されており、通行人はその脇を通るようになっている。門の中は通れないのである。
ちなみに、中は現在軍事博物館になっているようだ。




その後、ウスペンスキー大聖堂へ。ロシアにはあちこちにこの「ウスペンスキー」寺院があってややこしい。モスクワにあったウスペンスキー聖堂はこれがモデルになっているらしい。
このあたりの寺院は、「かぶと坊主」(スライムの下半分がない形)で、大体金色をしており、頂上に十字架が立っている。

▲ウスペンスキー大聖堂 ▲ドミトリエフスキー寺院。レリーフの彫りが印象深い



▲丘の上からの眺めは壮観。シベリア横断鉄道も遠目から見える。


2.ポクロフ・ナ・ネルリ教会

そこからしばらくまたバスに乗って、今度はボゴリューボヴォ(覚えられません)にある、ポクロフ・ナ・ネルリ教会へ。
バスを降りて、シベリア鉄道を横断。近くに駅があったが、どうもこれに乗っていくと北京まで行けるらしい。凄いな。。



地球を半周近くする鉄道。もはや鉄道関係者だか鉄道オタクだか分からなくなったたけしの目の色が変わった。

駅からポクロフ・ナ・ネルリ教会に向かう途中には、だだっ広い草原が広がっている。
もう見事としか言いようのないだだっ広い草原。奥の方で牛が放牧されている。



その奥1.5kmぐらいに、黒いねぎ坊主の教会が小さく見える。そこに向かって、一本の道が続いていく。なんかもうホントにドラクエ8みたいな感じだ。
近づくと「こちら教会」みたいな立て札なんかも建っていて雰囲気ある。
空もきれいに晴れ渡り、開放感に浸る。時々脇道にそれて謎の沼地なんかの様子を見ながら、教会に向かって延々と歩き続ける。

このあたりは、季節によっては雪解け水に覆われて教会まで船がないとたどり着けないらしい。それもまた一興だ。

▼水面に映る美しいポクロフ・ナ・ネルリ教会


途中、異常に長い貨物列車がさっきの線路を通り抜ける。無論鉄道関係者は音だけで貨物列車を判別。さすがだ。というかもう本人は否定したがるがもうマニアだ。


3.スズダリ

時刻は17時を回ったが、依然として明るい黄金の輪。
ロシアは夜が遅い。
我々は宿泊地である、人口一万人程度の小さな古都スズダリへ向かった。

スズダリは本当に田舎町だ。
町に着くまで、延々と「何もない」エリアが続く。

ロシア人は休日を自然の中の別荘「ダーチャ」で過ごす。
それはソ連時代も一緒で、都市部で働く人々も休日はダーチャの家庭農園で野菜を作っていた。ソ連が崩壊して食べ物が無くなっても人々が飢えなかったのは、ダーチャの家庭菜園のお陰とも言われている。

スズダリにはそんな昔ながらの木造の家がたくさんある。モスクワに住む人々はほぼ例外なくアパート・マンション住まいだが、ダーチャで週末を過ごすことが前提ならそれも理解できる。


スズダリのクレムリンと呼ばれるエリアへ。子ヤギを飼っているおっさんとかがいて本当にのどかだ。クレムリンとはいえもう城壁は残っていないが、寺院は動いている。

青い星付きのねぎ坊主のロジェストヴェンスキー聖堂
隣の寺院には、文字盤がキリル文字で鐘が変則的な時間に鳴る時計があった。なんだこりゃ。


そこからバスに乗り、高さ72メートルの鐘楼が印象的なリスパラジェンスキー修道院へ。その前にはレーニン像が堂々たる姿で立っている。
ちなみにここ、赤の広場というらしい。この辺はプチクレムリンなのか?

▲高さ72メートルの
リスパラジェンスキー修道院
▲修道院を見つめるレーニン像@赤の広場



その後、ホテルへ移動。
なるほど。田舎町だからある程度覚悟はしていたが、これはなかなかのグレードダウンだ。
しかし物価が安いのがうれしい。水もまともな値段だし、おみやげ屋のおっさんも親しみがあるしモノが安い。

でもやっぱり部屋は狭いのだ。ベッドも小さくて辟易したが。

夕食はホテルで。
・サラダ(またトマトとキュウリ)
・ジュリアン(キノコのチーズがけ。めちゃくちゃ美味しい)
・ポークピカタ(ジャガイモ添え)
・黒パン
・デザート
・蜂蜜ワイン


▲これがジュリアン

ジュリアンは大絶賛だった。ポークピカタは普通に美味しい。
黒パンは毎回出てくるのだが、この旅で初めて「あ、黒パン旨いかも」と思った珠玉の一品。蜂蜜ワインは甘いけど、デザートワインとしてはいいと思う。体にも良さそうだし、綺麗だし。
デザートはあれだな。生クリームの載った「瓦せんべい」。うん。

休憩後、ホテルのBARに行ってウォッカを飲んだ。
おつまみもたいした物が無くて、ピスタチオナッツを2袋。
値段も書いてないシンプルなBARだったが、安上がりで酔えた。こういうのも悪くないか。

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