第一章 バトル開始
新宿駅東口、午前0時15分集合。
登場したのは、MASA51、MAGIC、U1LOW、YMINORUの四人。
U1LOWは新幹線で登場し、スーツケースを引きずっている。
この男、わざわざ「新幹線で東京に行くから、今週やりましょう!」みたいなことでこの時間に開催されることになった。
よっぽど自信があるのか、ヤケッパチなのか。。
前回同様、例外なく皆何を考えているのかよく分からない不敵な笑みを浮かべている。
「参りましょうか……」
游玄亭は、歌舞伎町の奥地にある。
集合した瞬間我々はYMINORUに「五人目」の存在を知らされ、さらに店に辿り間にMASA51が口を滑らせて「HIDEKI」の名を明らかにした。
夕方、こっそりHIDEKIから開催場所を教えてくれという内容のメールを受け取ったMASA51は、今日のやる気が俄然アップしたらしい。
ポン引きの執拗な誘いに屈せず6階建ての焼肉屋に到着した4人は、人生二度目の游玄亭の扉を開いた。
……
ザーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
店の中に滝が流れている。
異常に高い天井に、なにやら庭園チックな内装。
何だこの空間は。。
「YMINORU様ですね、お待ちしておりました。どうぞ…」
そうやって案内されたのは、やたらとゴージャスなエレベーター。
言ってしまえば成金趣味だが、ここまでくると悪い気はしない。
我々が降り立ったのは……特別個室のフロアである。
特別個室。。
前回の游玄亭では、個室を使用した。
これは、通常の焼肉料金にサービス料10%、さらに個室のチャージ料として10%が追加されると言う極悪な料金体系だったのだが、今回はさらにその上を行く「新宿店だけ」の「特別個室」。
YMINORUが予約時に
「普通の個室とどう違うんですか?」
「メニューが違います」
という店員とのやり取りがあったらしい。
メニューの材質が違うのか、内容が違うのかは行ってみてのお楽しみだ!!
で、エレベーターから出たわけだが。。
おかしい。
まず、明らかに焼肉屋のフロアではない。
全室特別個室と言うだけあって。。
エレベーターから出ると、もう何か「庭」なのである。日本庭園。
丸石が敷き詰められ、石が並べられた通路を伝って各個室へと向かう。
イメージ的には、日本庭園の中に各個室となる「庵」が数室配置されているというイメージだろうか。
明らかに「ヘン」だ。成金趣味だ。しかし……悔しいが、感動した。
庵の扉を開く。
広い畳の空間に、掘りごたつ。
そして、それぞれに座椅子と白い座布団。
もちろん座椅子には肘かけがついている。
8人用の席だろうか・・・?
それを、5人で占有。
これ、前回の個室の部分をペーストしたのだが、まさにそんな感じ。
さらに今回は、必要以上に高級感のあるテーブルと、部屋の隅がミニ庭園となっているといった違いがある。
ますます、政治家とかが集まって次の選挙に向けて重大な議論を繰り広げていそうな部屋だ。
誰がこんな部屋でTOEICのスコアを競ってバトルが繰り広げられたり、挙句の果てにクイズ大会が始まってしまうことを予想するだろうか?
と、そのとき扉が開いた。
HIDEKIの登場だ。
YMINORUとMASA51、二人に「新宿東口」集合と教わりつつ、平気な顔で西口に現れて迷子になっていたHIDEKIである。
これで、役者は揃った…
ちなみに前回の游玄亭では、着物のお姉さんが一人一人に前掛けを首に下げてくれたのだが、今回は自分でかけた。
U1LOWはそれを覚えていてエプロンをかけてくれるのを待っていたらしいのだが、何もなかった。
サービス業は気が抜けない。いつ「新宿店はエプロンをかけてくれない」と世界に発信されるか知れないのだ。
さて、本日の段取りは、こんな感じの予定だ。
1.料理を食いながら、質問タイム。外馬の質問に、受験者が答える。ただし、別に本当のことを言っても嘘をついても構わない。
2.ラストオーダー後、外馬が予想を決定。ファイナルアンサー以降の予想の変更はなし。
3.最後の料理を食いながら、質問タイム。今度は本音で回答。
4.結果発表。5点刻みでカウントし、自分と該当するスコアが呼ばれたらスコアシートをテーブルに出す。
5.外馬を含めて、ヘキサゴン大会。TOEICがダメだった人にはここで挽回してもらう。
6.朝終了
つまり外馬は、受験者への質問への反応や、焼肉の食いっぷりなどを総合的に判断して予想を立てる。
自信がなければ控えめになるだろうし、逆にハッタリを噛ませる事で残り二人の戦意を喪失させる作戦もあるだろう。
ちなみに今回、「眠いと言ったら500円」という補助ルールを追加した。
これは、スタートが0時半であることを考えて、バトルのテンションを下げないようにするための粋な計らいだ。
もっとも、「何回眠いと言ったら消費税ぐらいになるのか?」というレベルの話になってしまうのだが。
各々、ビールなど飲み物を注文。
例の「普通の個室と違うメニュー」を拝見。
なるほど。
材質も、内容も違う。
明らかに他では見たことのない高級感溢れるメニュー本体と、前回よりも上乗せされた価格設定。
個室じゃなければあと一人ただで食えるような勢いがある。
そして料理は、新メニュー壷漬けカルビ、カルビ、ロース、キムチ三点盛りなどを注文する。
「安いメニューから高いメニューへ」が合言葉である。
安いったって一番安いメニューでも一皿2000円ぐらいする。
安楽亭だったら、「ファミリーチョイス(数人家族用)」ぐらいはいける(今ネットで調べた)。
第二章 相変わらずすげぇ焼肉へ