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事の発端は、一通のメールだった。


「叙々苑バトルやりませんか?」


メールの差出人はYMINORU。
メールの宛先もYMINORU。
私のアドレスには、BCCで来ている。

つまり、このメールが誰に対して出されているか、つまりバトル参加者に関する一切の情報が謎だった。

俺に来ているという事は……

そして私は、メールの返事を次の言葉で締めくくった。

「楽しみにしています」




----- in 歌舞伎町 夜の帝王決定戦 -----



というわけで、前回最下位となったYMINORUの発案で開催された叙々苑バトルII。
バトルの趣旨は前回同様「TOEIC(ビジネス英語のテスト。990点満点)のスコアで争い、トップの人は高級焼肉店「叙々苑」で焼肉がタダになる」というものである。

基本的なルールを説明しよう。
まず、同じ日にTOEICを受験した各人がTOEICのスコアシートを持参する。参加者は自分のスコアしか知らない
そして個室でたらふく高い焼肉を食った後で、おもむろにスコアシートを提示し、代金をかけて争う。
焼肉の食いっぷりと自信のほどがリンクする、過酷な心理戦が繰り広げられる大会なのである。

今回の舞台は、前回に引き続き叙々苑游玄亭
高級焼肉店叙々苑の中でも、世界に四店舗しかないというハイグレードな焼肉屋である。

時間設定も不思議だ。金曜の深夜、つまり土曜午前0時30分スタート
参加者の一人U1LOWが兵庫県に出張に行っており、仕事後新幹線で駆けつけての参加となったためである。
というわけで、「遅くまでやっている」という理由から游玄亭新宿店での開催となった。

なお、主催者以外の参加者は土壇場まで知らされていなかったのだが、今回新たな外馬を招くことになった。
というか、私は当日游玄亭に辿り着く直前で知らされた。
外馬の名は、HIDEKI
わざわざ川崎で一杯飲んできてからの登場である。

参加者は、以下のとおり。

参加者 ハイスコア 備考
MASA51 600 前回優勝者。圧倒的なハッタリと過剰な自信で、周囲の予想を煙に巻く。ただ、一応現チャンピオンの実力はある。
MAGIC 600 前回は外馬として参加し、予想を的中させている本レポートの筆者。スコアは同率タイだが、一年半以上も前のものである。
U1LOW 550 前回は外馬として参加。わざわざ新幹線で神戸から登場。スコアの浮き沈みが激しいという定説がある。
YMINORU 445 前回最下位。ちなみに当時のスコアは425。本企画の張本人であり、前回は「試合で負けて勝負に勝った」男。
HIDEKI 680 今回は外馬として登場。外馬のレベルアップが、そのまま本大会のレベルアップと考えていただいて差し支えない。


<ルール詳細>
今回、細かいルールがいくつか変更になったため、それを記述しておく。
基本的には上記のルールを覚えていただければ問題ない。

1.トップの支払う金額は、前回同様「下四桁」となる。つまり、*9999〜*0001の揺らぎ幅で支払額が変動する。
2.今回は、「クイズヘキサゴン」との併用制。全金額の8割がTOEICのスコアで決定し、残りの2割をヘキサゴンで争う。
3.トップ以外の支払い金額は、以下の通り。

まず、外馬の支払額を決定する。
外馬の予想が当たれば全体の10%、外れれば全体の22%を支払う。
残りの金額をスコアが二位以降の選手で「2:3:4」となる割合で分配する。

仮に総額が5万円となると、HIDEKIが当たった場合2位〜4位はそれぞれ10000,15000,20000。
HIDEKIが外れた場合は8500,13000,17500となる。

第一章 バトル開始へ