第1章 北極点(初日)


今回の旅行、行き先は、アテネ・ローマ・カイロの3ヶ国3都市。
ちなみに、「地球の歩き方」主催のツアーで、旅行予算は12万円くらいだった気がする。
学生限定なので、かなーり安く行くことができた。
何しろ、エジプトだけでも40万円くらいしかねないので、この価格は破格だ。


1.出発

9時45分成田集合なので、オザワゴンをタクシーにして、2500円で運んでもらう約束をする。その後、8時に柏で礒村と合流。

だが、朝起きるとIsomuraからメールが入る。
「ちょっと遅刻する」
そして、竹から電話が入る。
「ごめん。寝坊した」


あばい!!!

結局、30〜40分遅れでスタート。間に合うのだろうか?

実際、到着はかなり遅れた。カウンターに行くと、受付のお姉さんは尋常でない焦り方である。そりゃあ、集合時間を1時間も遅れれば慌てるだろう。その後長い長いお姉さんの説明の後、出国審査で長蛇の列。その上、ボーっと歩いてたらゲートが逆方向。危うし!! 走ってゲートへ。本当に危ないところで飛行機に乗れないところだった。

飛行機は成田空港の端っこにあった。KLMオランダ航空。KLMが何を意味しているのかは旅行中最後まで不明だった。恐らく、俺らのせいで出発が大分遅れている。

飛行機に乗る。12時間くらい乗る。
機内食は、巻き寿司・スモークサーモン・チキンと、米みたいな形のパスタ。まぁまぁいける。Isomuraは、もう片方の「和食」の牛丼もどきを頼んでいたが、偉く後悔していた。

隣に座っていた人が

「最初はアテネか。城戸沙織に会えるよ

と言っていたが、残念ながら城戸沙織はれっきとした日本人であり、たとえ実在していたとしても決して会えない。突っ込もうと思ったが遠慮しておいた。

そして、飛行機は我々の予想を裏切って、西へではなくへ向かって飛んでいった。
おかしい。西洋と言うからには、西にあるはずだ。ロンドンの時は素直に西へ行ったのに。
まぁ、地球は丸いから東から行ってもつかないことは無いだろうが……

しかも、東かと思ったらどうやらへ向かっている。なんと、北周りだ。全然予想外。アラスカ上空を経由して、北極点のそばをかすめ、北からヨーロッパへ入っていった。

二度目の機内食は、かつ丼。これは予想外である。失敗したカツ丼で、最初俺はこれがトンカツに見えず、むしろ厚揚げに見えてしまった。

というわけで、長い長い飛行機の旅は現地時間で17:05に終わる。そして、ついた先は……アムステルダム。オランダである。

戦いは終わらない。まだアテネは先だ。

そして、アムステルダムの空港で時間つぶしである。
空港にはカジノがあり、ちょっと見物。
オランダの通貨(ギル?ギルダー?)に両替しようとしたら、円が使えるとのこと。1000円で、7upとチーズを挟んだフランスパンを買ったが、お釣りは現地通貨。無駄外貨を手に入れてしまう。

アムステルダムのマックにはコロッケバーガーがあった。

20:00、アムステルダム出発。目的地は……
ロンドン。なんじゃそりゃ。

この頃になるともう、機内食要らないくらい眠く、完全に死亡。
Isomuraは機内食が来た事すら気付かず、後で猛烈に後悔していた。

そして、ロンドン・ヒースロー空港再び。
だが、ここで問題が起こる。チェックインをするにも、カウンターに人がいないのである。前回来た時は間違いなくここでチェックインをしたので、場所はあっている。だが、人はいない。

ツアー客30人が、ぞろぞろと(しかしあくまでバラバラに)打開策を探し、空港をうろつきつづける。でも協力しない人々。
どうも、時間的に受付が終わってしまったようだ。だが、我々は少なくともアムステルダムからついて、すぐにチェックインの場所に移動したはずである。これで間に合わないと言うことは、明らかにツアーの企画に問題がある。

それでも何とか情報収集。次の飛行機はOA(オリンピック航空)なのだが、話によればOAからAF(フランス航空)になったとか、変な情報が飛び交う。だが、そもそもカウンターでは、アリタリア航空の人しか受付をしてないのだ。

そして、確実にタイムリミットが近づく。

しかし、ギリギリで謎の外人の助けを得てOAへ。別室で全員チェックイン。やはりここでも受付係のお姉さんの焦りようが尋常でなかった。

オリンピック航空は、変なマークだった。オリンピックなので五輪……ではなく、微妙に六輪。1個多い。

機内食は、普通に美味しいチキンのフライ。バーベキューソースである。あとは、溶かしたチョコレートにつけて食べるシュークリームなどだった。さすがに飛行機の中では爆睡。

アテネについたのは3:35。深夜ですぜ。そして、4:30出発。その間、円を現地通貨「ドラクマ」に変換。

日本時間では、昼の12時である。24時間は確実に過ぎている。
ホテルについたのが5:00頃。もはや訳が分からない。
さらに分からないのが、ガイドのおばちゃんの言葉。

「はーい。明日は、8:30にモーニングコールを鳴らしますからね」


寝かしてくれぇェェェ!!

このホテル(アテネ・センターホテル)で驚いたのは、エレベーターが手動なこと。手で開けて、エレベーターの中に入り、手で開けて、エレベーターを出る。最後まで慣れなかった。

世界征服の暁には、飛行機の乗り継ぎは一回まで。

第二章 パルテノンへ