4.家の建て方について

カラーグループが揃ったら、いよいよ家の建設である。家が建たなければまず勝つ事は出来ないし、第一面白くない。とにかく家を建ててからが勝負である。

だが、家を建てるにもいろいろと考えるべきところはある。ここでは、カラーグループが揃った事を想定してどのように家を建てて行くのが効果的か、ということを考えてみよう。

 

(1)基本的に

これは建て方というか、ルールなのだが、家は3つ(あるいは2つ)の土地に平均して建てて行かなければならない。ローカルルールで、一箇所集中家建設のようなものもあるのだが(一度これをやられてレッドで即死した経験がある)、普通は 1軒、0軒、3軒などということはできない。だからこそ、家の建て方が重要になってくるのである。

 

(2)何軒建てる?

3軒。これは非常に基本的でかつ重要なことなので、絶対に覚えておこう。3軒である。

何故3軒なのかというと、どのカラーグループでも、家2軒と3軒では収益額に雲泥の差があるのだ。下の表を見て欲しい。これは、オレンジに建てた家の数とレンタル料の推移だ。

家1軒 70 80
家2軒 200 220
家3軒 550 600
家4軒 750 800

家1軒と2軒でも結構差があるのだが、2軒と3軒の差が目立つ。1軒⇒2軒、2軒⇒3軒が約3倍に跳ね上がるのに対して、3軒⇒4軒は大して変わらない。だから、無理に4軒まで上げるよりは3軒で止めておいたほうがよいことも多い。

家1軒と2軒の差と言うのは、確かに約3倍ではあるが、これは130ドルアップ、とも考えられる。オレンジの家一軒の建設費が100ドルである事を考えると、それほど効率が良いとは考えにくい。2軒⇒3軒は、350ドル以上のUPだ。やはり家は3軒、少々無理をしてでも3軒必要と考えるべきである。

もちろん、ダークパープルのようにホテルにしても大して攻撃力の無いようなカラーグループは早々にホテルにしておきたい。また、ダークブルーなどは2軒でも強力な攻撃力があるので、無理に家3軒にして他のプレイヤーの恐怖心を煽らないほうがよいこともある。

 

(3)どのくらい無理する?

有り金全てはたいてガンガン家を建てるのもそれはそれで面白いが、勝つためには程度というものをわきまえる事も重要だ。どれくらいというのはその時によって変わるが、個人的にはこのような基準で家を建てるのが良いかと思う。

<1>カラーグループが一人だけ揃っている時

これは、ガンガン家を建てればそのまま逃げ切れる事がある。まわりがモノポリー慣れしていないと、なおさら効果的。カラーグループが揃っても、警戒してなかなか家を建てない。いざとなれば要らない物件をひっくり返せばいい、という勢いで、3軒までは現金のほとんどを家に変えるぐらいの勢いが欲しい。4軒目以降は、周りの様子を見てからでもかまわない。

<2>カラーグループが揃ったのが遅い時

もうあちこちに家が建っているはず。だが、それを恐れて家を建てることを警戒してばかりいては、絶対に勝てない。家が沢山建っている地帯を切りぬけたら、できるだけ3軒に届くように無理をしてでも家を立てていこう。逆転にはこれしかない。

<3>とりあえず平均的な順位で普通に家を建てたとき

このパターンが一番多いだろう。目安は、一番高いレンタル料のところに止まっても家を崩さなくて済む程度。そのぎりぎりの線で、家を限界まで建てる。だが、本当に現金に余裕が無く、建てても平均1件程度しか建たない場合は、少々無理をしてもいい。また逆に、現金に余裕がある場合は、3軒平均くらいで様子を見ておくのも良いだろう。

<4>鉄道王がいる、あるいは生まれそうなとき

手持ちに200ドルから300ドル程度残して家を建てる。どこにいても鉄道には止まるようになっているので、少々余力は残しておこう。

 

(4)どこに建てるか 

<その1>

まず考えられるのは、「止まった時に収益の多い土地」である。同じカラーグループ内でも、一箇所だけ貰える金額が多いところがあるはずだ。オレンジならニューヨーク通り、レッドならイリノイ通り……具体的には、ボード上の進行方向の一番先(3つ目)にある土地が高い。残りの二つは同じ額なので、とりあえずここでは無視しておこう。どこに建てても建設費が同じならば、一番儲かるところに家を建てるのが当然だ。というわけで、家を建てるならまず一番奥の土地、なのである。

<その2>

次に考えられるのは、プレイヤーの止まる確率が高い土地である。といっても、どこが一番確率が高いのかというとなかなか難しい。ただ、確実なのは、「カードの指示で飛ぶ事がある土地」これである。チャンスカードには、特定の土地に飛ばされるものが数枚入っている。当然その先の土地は他のところよりもお客さんが止まる確率が高い。具体的には、

St.チャールズプレース(ライトパープルの1番目)

イリノイ通り(レッドの3番目)

ボードウォーク(ダークブルーの2番目)

そして、レッドの地帯にあるチャンスカードからのみ「3マス戻る」で行ける

ニューヨーク通り(オレンジの3枚目)

である。よく見るとSt.チャールズプレース以外は上記の(2)と条件が重なるのであまり意味はなさそうだが、これを知っていると知っていないとでは差が出てくる。とにかく、これらのカラーグループを持っている人はチャンスカードで移動カードが出たかどうか覚えておくこと。

<その3>

平均して家を建てなければいけない以上、たとえば土地三つで家が4軒建てられるときは上のように一番収益の多い土地に優先させればよいが、家5軒目はどこに建てるか。これは、頭を悩ませる選択である。

その場合、パターンとしては奥から(2、1、2)(2、2、1)があると思うのだが、これはどちらのほうが良いのだろう?下の図はGoから見て3番目の、レッドとイエローの列だ。見てもらえれば分かるが、レッドとイエローでは土地の並び方が微妙に違う。

(進行方向⇒)

(2、1、2)パターンの建て方が優れている点は、2軒ずつ建っている土地と土地の間が空いている、というところだ。サイコロの出目は、別項で述べたように7を頂点としてそこから離れるごとに徐々に確率が下がって行く。つまり、7以下なら、大きい目の方が出やすいということだ。

例えばこの例だと、もし仮に一つ目のレッドあるいはイエローに客が止まった時に、次の番でさらに3が出れば、連続で家2軒の土地に相手をはめる事が出来る。もし2が出ても、まぁ上々だ。ちなみに3が出る確率は2が出る確率の倍ある。

これが(2、2、1)だと、

このように、レッドの2軒の家に連続で客が止まるということは起こらなくなる。サイコロを二つ振って1が出ることはないからだ。イエローにはまだ目があるが、それでも確率は1/36である。

では、(2、2、1)には全くメリットがないのだろうか?

実は、確率をトータルで見たときに、遠くにあればあるほど止まる確率は高い、という法則がある。例えば、7と12では、サイコロを2個振って出る確率は前者は1/6、後者は1/36と、明らかな差がある。

           
  10 11 12

だが、サイコロを2個、2回振ったときは?

1回目のサイコロで7以外で6以上が出た瞬間に、7マス目にはもういけないのである。一方で、1回目のサイコロで5が出れば、その時点で7マス目はまず見こみがないのに対して12に止まる確率は1/6となる。

こういった意味で、遠くのほうに家を集中させる(2、2、1)タイプは、連続大ダメージの目は無いものの基本的に(2、1、2)よりも確率的には優れているといえる。

 

(5)必殺家止め 

家は物理的に32軒しか存在しない。しかし、実際には全てのカラーグループを合わせると88軒の家が必要になる。足りなくなった家は競売になるのだが、これを利用したのが家止めである。これは、あえて自分の土地の物件をホテルにせず家4軒で止め、他のプレイヤーがどんなに資金に優れていても家が建てられなくするのである。

また、ホテルにするためには家が4軒たっていることが条件になる。(4、4、3)で家2軒分の資金があったとしても、ホテルは建てられないのだ。

家止めに向いているカラーは、なんと言ってもライトブルーだ。家を建てるのが安く済み、かつホテルにするための金額とホテルにするよって得られる事が期待できる金額が拮抗している。簡単に言えば、ホテルにしてもそれほど得しないカラーなので、家12軒で止めておきやすいのである。